辛い記憶をなるべく早く消し去る方法の一つに塩塗り療法なるものがある。
要するに、嫌な記憶をこれでもかというほどアウトプットするというもの。方法は、ブログに書き出しても良いし、友だちに話すのでもいい。とにかく、傷口に塩を塗り込むが如く辛い気持ちをあぶり出すのだ。そして、それを何度も何度も繰り返していくうちに脳が飽きてくるらしい。
平均的に、辛い記憶が続くのは半年ほどらしいけど、そんな時間かけてられないって人におすすめなのが先ほどの塩塗り療法らしい。
だから、私もまだちょっと癒えてきた傷口に塩を塗り込もうと思う。
話題はもちろん元カレについて。
未だに、彼が私のどこに冷めたのかわからない。ただ、付き合った期間が3ヶ月だということを考えると、多分最初からそんなに好きじゃなかったんじゃないかなって思う。
それか、嫌なところを言えずにそれがどんどん溜まっていって冷めてしまったのか。
出会ってからは2年以上経っていた。
最初のキッカケは彼が私の短い髪の毛をからかったこと。ヤンボーみたいですね。あの、天気予報のキャラクターの。っと言い放ったのだ。
その当時はショートカット だったのだが、その時はさらに髪を短く切って出勤した。それを早々にいじられた。
はっきり言ってしまえば、そんないじりがなかったら彼の存在を見向きもしなかっただろうに。私ってなんて単純な女なんだと思った。それ以降、私をいじるノリで会話をするようになった。私と彼の他に彼の上司や先輩を含めた比較的大人数のこともあったし、2人だけの時もあった。
そして、お昼にノリでスタバを奢ってくれたこともあった。それ以外にも周囲が冷やかすほど彼は私にちょっかいをかけてきたし、私もまんざらじゃなかった。小学生の頃によくあった男の子と女の子の関係みたいにすごく楽しかった。彼の視線も話題も、言葉遣いももうそれはちょっと他の社員が私に対する態度とは違ったのだ。だから、付き合う前にこんなことされたらもう好きになってしまうじゃないか、そんなふうに思った、そして絶対私のこと好きだよなーと確信させた。
そして、何かと苦い思い出のあるディズニーを経て私から告白した。
そして振られた。
その時の衝撃は計り知れなかった。
なんだこの人、こんなに私に好きな素振りを見せておいて振るとは...
開いた方が塞がらなかったし、本当に絶望した。そして彼から出た言葉は。ちょっと待って。
そして約1ヶ月後、俺と付き合わない?という今思えばなんとも微妙な告白を飛び上がるほど喜んで承諾した。
それから3ヶ月後に破局を迎えることになるのだが。
自分を大切にしてくれているのだというフィルターを通して彼を見るとなんとも愛おしかった。他の人に対して言葉が足りなくてぶっきらぼうな印象を受けた時も、私にムカつくいじりをしてきた時も、彼の後輩にかなり冷たい態度をとっていた時も。
多分、これを全て彼の愛おしい個性なのだとそうやって自分を無理やり納得させていた。
今思えば、自分を納得させようとすることに違和感を感じなくてはならなかったのだ。
私の価値観や考え方とはまらない彼の言動に対して疑問を呈したり、指摘するべきだった。
時には強い口調で不快感を露わにすることも大切だったのだ。
そうやって互いの嫌いなことを知ることなしに一緒にいられることなどできないと知った。
何となく彼が好きそうな、嫌そうなことを察して接することをしてきたような気がするけど
そんなものは元から不可能な話だった。
嫌な気持ちを伝えることをなるべく避けていた私は、そうやって二人の気持ちを遠ざけていたのだ。
これ以上書くとすごく重たい気分になるので今日はこの辺で。